フラーレンは
高い抗酸化力を持つ美容成分で

 

肌の老化を抑制する
エイジングケア効果が期待できます。

 

シミ、シワ、ニキビ、毛穴
肌悩みを改善し、

 

肌のハリや潤いを保つ効果が期待されています。
?

フラーレンの主な効果

抗酸化作用

活性酸素を無害化し、
肌の酸化を防ぎます。

?エイジングケア

肌の老化を抑制し
シミ、シワ、たるみなどの対策に効果的です。
?

美白効果

メラニンの生成を抑制し、美白効果も期待できます。
?

肌のバリア機能の改善

肌のバリア機能を修復し、肌荒れを防ぎます。
?

毛穴ケア

毛穴の詰まりや開きを改善し
ニキビの予防にも効果的です。
?

その他の効果

アトピー性皮膚炎の抑制や炎症緩和、
セルライト抑制などの効果も期待されています。
?

フラーレンの安全性

フラーレンは安全性も高い成分で
化粧品に配合されていても

 

ほとんどの場合
皮膚刺激性
眼刺激性
皮膚感作性(アレルギー性)
光毒性
光感作性
の心配はありません。
?

フラーレンの注意点

フラーレンは薬ではないため
即効的な効果は期待できません。
?
長期間使用し続けることで、効果を実感できるでしょう。
?
フラーレンを配合した化粧品を選ぶ際は
肌質や肌の悩み、使用目的などを考慮して選ぶことが大切です。
?
フラーレンはレチノールと併用すると
相乗効果で肌に刺激を与える可能性があるので

 

少量から始め、肌の状態を見ながら
徐々に量を調整することが推奨されています。
?

フラーレンを配合した化粧品

フラーレンは、化粧水、美容液、クリーム、日焼け止めなど、さまざまな化粧品に配合されています。?

 

まとめ

フラーレンは、
高い抗酸化力と
エイジングケア効果

 

を持つ安全な美容成分です。
肌の悩みに合わせて、フラーレンを配合した化粧品を選び、
毎日使い続けることで、より健康で美しい肌へと導くことができるでしょう。?

 

1. 基本情報
1.1. 定義
以下の化学式で表される60個の炭素原子のみで構成される炭素の同素体(?1)であり、12個の五員環と20個の六員環で構成されたイコソヘドロン(正二十面体)構造をもつ球状カゴ型の炭素分子です[1][2a]。

 

化粧品成分オンライン

 

物性・性状

 

 

フラーレンは疎水性かつ凝集性を有していることから、
直接化粧品に配合することは非常に難しく、

 

また活性酸素消去活性によって
様々な効果を発揮するものの、

 

化粧品においてはそのまま配合すると
自身の強い酸化力によって

 

製品中で還元性を発揮し、
急速に酸化され、その結果として
抗酸化力を失ってしまうことから、

 

誘導体化、包接化、リポソーム化など
安定化技術を用いた上で配合されます

 

 

分布

C60フラーレンは
自然界において非常に少ないものの

 

陽石の衝突や雷撃などで生成されたものが
岩石や化石から検出されているほか
宇宙空間にも存在することが確認されています

 

皮膚における浸透性

2010年に
県立広島大学
生命環境学部
細胞機能制御学研究室

 

によって報告された
フラーレン(C60)の
皮膚浸透性検証によると、

 

3次元ヒト皮膚組織モデル
の表面に
C60フラーレン(12ppm)

 

を組み込んだ
水添レシチン
および
ダイズステロール

 

から成るリポソームを投与し
フラーレンの皮膚浸透を評価したところ

 

24時間後で
表皮から1.34ppmが検出され
真皮からは検出されなかった。

 

このような検証結果が明らかにされており
リポソーム化されたフラーレン(C60)
においては表皮までの浸透性が認められています。

 

 

 

 

 

化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、
スーパーオキシド消去による抗酸化作用
CE量減少抑制によるバリア機能修復作用
メラニン産生抑制による美白作用

 

主にこれらの目的で、

 

スキンケア製品などに汎用されています。

 

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

 

スーパーオキシド消去による抗酸化作用

スーパーオキシド消去による
抗酸化作用に関しては
まず前提知識として

 

  • 皮膚における活性酸素種
  • 活性酸素種の酸化還元反応
  • SODの役割

 

について解説します。

活性酸素種

酸素が他の物質と反応しやすい状態に変化した
反応性の高い酸素種の総称であり

 

酸素から産生される
活性酸素種の発生メカニズムは

 

 

 

 

 

酸化力を有する酸素が
比較的容易に電子を受けて
スーパーオキシドを生成し

 

さらに酸化が進むと

 

  • 過酸化水素
  • ヒドロキシルラジカル

 

を経て
最終的に水になるというものです

 

この一連の反応を
酸化還元反応と呼んでおり

 

正常な酸化還元反応において
発生したスーパーオキシドは少量であり

 

通常は抗酸化酵素の一種である
スーパーオキシドジスムターゼにより
速やかに分解・消去されます

 

一方で
紫外線の曝露などにより

 

スーパーオキシドを含む
活性酸素種の
過剰な産生が知られており
紫外線でスーパーオキシドが増える

 

過剰に産生された
スーパーオキシドは
スーパーオキシドジスムターゼによる
分解・消去が追いつかず

 

紫外線の曝露時間や
スーパーオキシドの発生量によっては
ヒドロキシルラジカル
まで変化することが知られています。

 

皮膚において
活性酸素種が発生する
最大の要因は紫外線ですが

 

他にも
排気ガスなどの環境汚染物質
タバコの副流煙などの有害化学物質
なども外的要因となります。

 

発生したヒドロキシルラジカル
酸化ストレス障害として

 

過酸化脂質の発生
コラーゲン分解酵素である
マトリックスメタロプロテアーゼ
の発現増加による

 

  • コラーゲン減少
  • DNA障害
  • 細胞死

 

などを引き起こし
中長期的に
これらの酸化ストレス障害を
繰り返すことで
光老化を促進します

 

このような背景から
紫外線の
曝露時および
曝露後に

 

スーパーオキシドを消去することは
皮膚の酸化ストレス障害を抑制

 

ひいては
光老化
炎症
色素沈着
などの抑制において
非常に重要なアプローチのひとつであると考えられます。

 

2004年に
ビタミンC60バイオリサーチ
(現 三菱商事ライフサイエンス)

 

によって報告された
スーパーオキシドに対する
フラーレンの影響検証によると、

 

 

各試料1.5mLに
キサンチンオキシダーゼを添加後、
30秒反応させ、

 

ESRスピントラップ法により
スーパーオキシド量を測定したところ、
以下のグラフのように、

 

 

 

PVP包接フラーレンは、
顕著なスーパーオキシド消去活性を示した。

 

このような検証結果が明らかにされており[14]、
フラーレンにスーパーオキシド消去作用が認められています。

 

次に、
2011年に
ビタミンC60バイオリサーチ
(現 三菱商事ライフサイエンス)

 

によって報告された
フラーレンの
ヒト皮膚シワに対する有効性検証によると、

 

? ヒト使用試験 ?

 

両目尻に主として
グレード2(明瞭な浅いシワ[わずか])から
グレード3(明瞭な浅いシワ)を有した
23名の女性被検者(平均年齢39.2歳)の半顔に

 

0.0003%フラーレン配合クリームを、
残りの半顔にフラーレン未配合クリーム(プラセボ)を
二重盲検法を用いて1日2回8週にわたって塗布してもらった。

 

評価は、日本香粧品学会が定めた
抗シワ評価ガイドラインに基づき、

 

4および8週目に医師による
シワグレード目視評価および写真評価、

 

目尻より採取したレプリカ解析により
シワ面積率および
最大シワ最大深さ
を算出したところ、

 

目視および写真評価においては
有意差がなかったものの、以下のグラフのように、

 

フラーレンのシワ改善効果[機器評価]

 

フラーレン配合クリーム塗布側で、
プラセボと比較して塗布8週目に
有意なシワ面積率の減少が認められた。

 

また、総シワ平均深さにおいても
プラセボと比較して有意ではないものの、
改善傾向がみられた。

 

このような検証結果が明らかにされており[15a]、
フラーレンに抗酸化作用(抗シワ作用)が認められています。

 

シワの形成には
紫外線および
活性酸素が関わっていることから、

 

このフラーレンのシワ面積改善効果は、
抗酸化作用によるものであると考えられた[15b]。

 

 

2.2. CE量減少抑制によるバリア機能修復作用

CE量減少抑制による
バリア機能修復作用に関しては、

 

まず前提知識として
角質層における
細胞間脂質の構造およびCEについて解説します。

 

以下の表皮最外層である
角質層の構造をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

 

角質層の構造

 

角質層は天然保湿因子を含む
角質細胞と角質の間を
細胞間脂質で満たした、

 

レンガとモルタルの関係と
同様の構造となっており、
細胞間脂質は主に、

 

 

 

細胞間脂質構成成分割合(%)
セラミド50
遊離脂肪酸20
コレステロール15
コレステロールエステル10
糖脂質5
このような脂質組成で構成されており[16]、
その約50%セラミドが占めています。

 

これら細胞間脂質は以下の図のように、

 

細胞間脂質における
ラメラ液晶構造の仕組み(詳細版)

 

疎水層(脂質)と
親水層(水分)を

 

繰り返すラメラ構造を形成していることが
大きな特徴であり、

 

脂質が結合水(?3)を
挟み込むことで水分を保持し、

 

角質細胞間に
層状のラメラ液晶構造を形成する
ことでバリア機能を発揮する

 

と考えられており、
このバリア機能は、
皮膚内の過剰な水分蒸散の抑制
および一定の水分保持、
外的刺激から皮膚を防御する
といった重要な役割を担っています。

 

?3 結合水とは、
たんぱく質分子や
親液コロイド粒子などの
成分物質と強く結合している水分であり、

 

純粋な水であれば0℃で凍るところ、
角層中の水のうち33%は
-40℃まで冷却しても凍らないのは、

 

角層内に存在する水のうち
約?が結合水であることに由来しています[17]。

 

次に、CEについては
以下の表皮角質層における
角質細胞の拡大図をみてもらうとわかりやすいと思うのですが、

 

 

 

角質細胞の一番外側には
細胞膜が存在しており、

 

細胞膜の内側には
周辺帯(cornified cell envelope:CE)
と呼ばれる

 

極めて強靭な裏打ち構造の
不溶性タンパクの膜
形成されていることが知られています[18]。

 

この周辺帯(CE)が
細胞間脂質の主要構成成分である
セラミドと結合することによって
強固なバリア機能が形成されています。

 

一方で、
皮膚が乾燥寒冷下に
長時間曝露されるような
外的要因

 

アトピー性皮膚炎のような
内的要因により

 

乾皮症(ドライスキン)が生じた場合は、

 

角質層の機能低下により、
角質層の
水分保持能の低下

 

および
バリア機能低下による
経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss:TEWL)
の上昇が起こり[19]、

 

 

その結果として
角質細胞や
細胞間脂質が
規則的に並ばなくなり、

 

そこに生じた隙間から
さらに水分が蒸散し、

 

バリア機能・
保湿機能

 

が低下していくことが知られています[20]。

 

このような背景から、
CE量の減少を抑制し
強固なバリア機能の形成を維持することは、

 

ドライスキンの改善や
皮膚の健常性を維持するために重要であると考えられます。

 

2021年にビタミンC60バイオリサーチ
(現 三菱商事ライフサイエンス)

 

によって報告された
フラーレンの
ヒト皮膚シワに対する有効性検証によると、

 

? in vitro : CE量減少抑制作用 ?

 

培養ヒト表皮角化細胞に
PVP、
PVP包接フラーレン

 

を添加した後に
UVBを照射し、

 

培養後にCEを産生する
細胞の割合を

 

無添加のヒト表皮角化細胞
と比較したところ、

 

以下のグラフのように、

 

UVB照射におけるPVP包接フラーレンのCE量減少抑制効果

 

PVP包接フラーレンは、
無添加と比較して

 

UVB照射に対するCE量が
UVBを照射しない細胞と
同等のレベルまで回復した。

 

? ヒト使用試験 ?

 

人工的に肌荒れをつくった
10名の被検者の
前腕内側部2箇所の一方に
1%PVP包接フラーレン水溶液、
他方に精製水のみを
1日2回4日間にわたって塗布してもらい、

 

毎日の表皮水分蒸散量を測定し、
バリア回復率を算出したところ、
以下のグラフのように、

 

肌荒れに対するPVP包接フラーレンのバリア機能修復効果

 

PVP包接フラーレン水溶液塗布部位は、
肌荒れをつくってから2日後に
精製水のみを塗布した部位と比較して
有意(2日目・3日目:p<0.05)にバリア回復率が増加した。

 

この結果から、
PVP包接フラーレンは
紫外線照射後の肌荒れだけでなく、

 

人工的に作成した肌荒れに対しても
有効にバリア機能を回復させることが明らかとなった。

 

このような検証結果が明らかにされており[21]、
フラーレンにCE量減少抑制による
バリア機能修復作用が認められています。

 

2.3. メラニン産生抑制による美白作用

メラニン産生抑制による美白作用に関しては、
まず前提知識として
メラニン色素生合成のメカニズムについて解説します。

 

以下のメラニン生合成のメカニズム図をみてもらうとわかりやすいと思うのですが、

 

メラニン合成-排出メカニズム図

 

 

 

皮膚が紫外線に曝露されると、
細胞組織内では様々な
活性酸素が発生するとともに、

 

様々なメラノサイト活性化因子(情報伝達物質)が
ケラチノサイトから分泌され、

 

これらが直接またはメラノサイト側で発現する
メラノサイト活性化因子受容体を介して、

 

メラノサイトの増殖
メラノサイトでのメラニン生合成を促進
させることが知られています[22a][23][24a]。

 

メラノサイト内でのメラニン生合成は、
メラニンを貯蔵する細胞小器官である
メラノソームで行われ、

 

生合成経路としては
アミノ酸の一種かつ
出発物質であるチロシンに

 

酸化酵素であるチロシナーゼが
働きかけることで
ドーパに変換され、

 

さらにドーパにも働きかけることで
ドーパキノンへと変換されます[22b][24b]。

 

ドーパキノンは、
システイン存在下の経路では
黄色-赤色のフェオメラニン(pheomelanin)へ、

 

それ以外は
チロシナーゼ関連タンパク質2
(tyrosinaserelated protein-2:TRP-2)や

 

チロシナーゼ関連タンパク質1
(tyrosinaserelated protein-1:TRP-1)

 

の働きかけにより
茶褐色-黒色のユウメラニン(eumelanin)
へと変換(酸化・重合)されることが
明らかにされています[22c][24c]。

 

そして、
毎日生成されるメラニン色素は、
メラノソーム内で増えていき、

 

一定量に達すると
樹枝状に伸びている
デンドライト(メラノサイトの突起)を通して、

 

周辺の表皮細胞に送り込まれ、
ターンオーバーとともに
皮膚表面に押し上げられ、

 

最終的には角片とともに
垢となって落屑(排泄)される
というサイクルを繰り返します[22d]。

 

正常な皮膚においては
メラニンの排泄と
生成のバランスが保持される一方で、

 

  • 紫外線の曝露、
  • 加齢、
  • ホルモンバランスの乱れ、
  • 皮膚の炎症

などにより
メラニン色素の生成と排泄の
代謝サイクルが崩れると、

 

その結果として
メラニン色素が
過剰に表皮内に蓄積されてしまい、
色素沈着が起こることが知られています[22e]。

 

このような背景から、
メラニン産生を抑制することは
色素沈着の抑制において
重要なアプローチのひとつであると考えられています。

 

2017年にビタミンC60バイオリサーチ
(現 三菱商事ライフサイエンス)

 

によって報告された
PVP包接フラーレンの
メラニンに対する
影響検証および
ヒト皮膚色素沈着に対する有用性検証によると、

 

 

 

? in vitro : メラニン生成抑制作用 ?

 

培養ヒトメラノーマ細胞
各濃度の
PVP包接フラーレンを添加し、

 

メラニン量を測定したところ、
以下のグラフのように、

 

PVP包接フラーレンのメラニン産生抑制作用

 

PVP包接フラーレンは
濃度依存的に
メラニン産生量を抑制し、

 

その濃度は1%以上で有意
(1-2%:p<0.05、5%:p<0.01)であった。

 

? ヒト使用試験 ?

 

18名の女性被検者の
左腕上腕内側に

 

UVBおよび
UVAを照射して

 

人工的にシミを形成した
2箇所のうち1箇所に
1%PVP包接フラーレン配合クリームを、

 

他方に
未配合クリームをそれぞれ
1日2回8週間にわたって塗布してもらい、

 

肌の明るさを示す指標として
分光色差計でメラニンインデックス
(?4)を測定したところ、以下のグラフのように、

 

?4 メラニンインデックスは、
その値が高いほど肌が暗く、
値が低いほど肌が明るい。

 

紫外線照射による色素沈着に対するPVP包接フラーレンの改善効果

 

PVP包接フラーレン配合クリーム塗布部は、
未配合クリーム塗布部より
メラニンインデックスの低減が有意(8週目:p<0.05)に早かった。

 

このような検証結果が明らかにされており[25]、
フラーレンにメラニン産生抑制による美白作用が認められています。

 

 

 

3. 混合原料としての配合目的
フラーレンは混合原料が開発されており、フラーレンと以下の成分が併用されている場合は、混合原料として配合されている可能性が考えられます。

 

原料名Radical SpongeN
構成成分フラーレン、PVP、BG、水
特徴水溶性高分子PVPを用いて水溶化(水中分散化)したフラーレン
原料名LipoFullereneN
構成成分フラーレン、スクワラン
特徴フラーレンを油中分散した植物性スクワラン
原料名Moist FullereneN
構成成分フラーレン、水添レシチン、フィトステロールズ、BG
特徴フラーレン配合リポソーム
原料名Veil FullereneN
構成成分フラーレン、シリカ
特徴フラーレン内包シリカゲル
原料名Sun Guard FullereneN
構成成分フラーレン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
特徴フラーレンを分散した紫外線吸収剤
原料名Hair Shiny FullereneN
構成成分フラーレン、γ-ドコサラクトン、ミネラルオイル
特徴ヘアカラー後の退色抑制効果を発揮する毛髪用フラーレン原料
原料名Hair Shiny FullereneN-MO
構成成分フラーレン、γ-ドコサラクトン
特徴ヘアカラー後の退色抑制効果を発揮する毛髪用フラーレン原料(ミネラルオイル不使用)
4. 安全性評価
フラーレンの現時点での安全性は、
2005年からの使用実績
皮膚刺激性:ほとんどなし
眼刺激性:ほとんどなし
皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
光毒性(光刺激性):ほとんどなし
光感作性:ほとんどなし
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

 

以下は、この結論にいたった根拠です。

 

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

産業技術総合研究所のリスク評価書[2c]によると、

 

[ヒト試験] 30名の被検者に
0,0.6および14.8%フラーレン(C60)
水中分散液をパッチテストし、

 

96時間後まで
皮膚反応を観察したところ、

 

いずれの被検者においても
有害な皮膚反応はみられず、

 

この試験物質は
皮膚刺激剤および
皮膚感作剤ではなかった(Huczko et al,1999)

 

[ヒト試験]
 被検者(人数不明)に
フラーレン(C??)100mgを対象に
24時間皮膚パッチテストを実施し、
パッチ除去1および24時間後に皮膚刺激性を評価したところ、
フラーレンによる皮膚への影響は観察されなかった(Aoshima et al,2009)

 

[動物試験]
 ウサギの剃毛した皮膚に
フラーレン(C??,C??)を含む
ポリプロピレングリコール0.5gを24時間閉塞パッチ適用し、
適用24および48時間後に皮膚反応を評価したところ、
フラーレンによる皮膚への影響は観察されなかった(Aoshima et al,2009)

 

このように記載されており、
試験データをみるかぎり、
皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、
一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。