ワイルドヤム
ワイルドヤムとは
- 熱帯や亜熱帯性気候の地域に自生している
- ヤマイモ科植物の一種
- ヤマノイモ科に属する500種を超えるヤマノイモの一つ
- メキシコ原産
- メキシコやアメリカなどで採れる
- 北米、メキシコ、アフリカ、アジアに自生する。
- この根にはサポニンをはじめたくさんの栄養素が含まれている
- 女性ならではの体調不良の改善効果や美肌効果が期待できる
- 女性ホルモンと似た働きを持つ成分が含まれている
- 昔は胃腸の健康をサポートする薬草としても使用されてきました。
- ワイルドヤムに含まれているジオスゲニンには、体内に取り込まれると女性ホルモンの一種、プロゲステロンに変換する働きがあり、ホルモンバランスを整えることから、バストアップや女性特有のトラブル緩和に期待されています。
- 北〜中央部アメリカ原産の蔓性の多年草の一種
- 学名はDioscorea villosa
- ハート型の葉と小さい緑色の花を咲かせることが特徴で、主に根と塊根が使用されます
- 現在では、主食としてアフリカ・熱帯アジア・ラテンアメリカを中心に栽培されています。
- ワイルドヤムの根にはサポニンをはじめ女性の美容と健康をサポートする様々な栄養成分が豊富に含まれていることから、
健康サプリメントやハーブティーに幅広く利用されています。
ワイルドヤムが使用されるもの
- ホルモン補充療法の自然の代替手段
- 月経困難症の治療
- エストロゲン活性をもつと言われているため皮膚の老化を遅らせるアンチエイジング目的
ワイルドヤムの別名
- メキシカン・ヤム
- ジオスゲニン
- 天然DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
- 植物性エストロゲン
- アメリカタツタソウ
- さるなし(China root)
ワイルドヤムふくまれる成分
- サポニン(ジオスゲニン、ジオスシン)
- アルカロイド(ジオコリン)
。
ジオスゲニン
コレステロールという既知のホルモン前駆物質に構造的に近い。
ジオスゲニンはin vitroでは
- プロゲステロンやnorethnodrel
- ノルエチンドロン
- デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)
などのホルモンへ化学的操作で変換することができるが、
この変換はin vivoでは経口的にも局所的にも起こらない。
このため、これらのホルモンの植物性摂取源となり得る
と考えられているワイルドヤムが
伝統的な用途で薬理活性を及ぼす機構は現在、不明である。
一部の局所用ワイルドヤム製剤のホルモン活性は、
製造業者が合成プロゲステロンを混入
していることによるものとされているが、
この領域ではエビデンスは限られている。
ワイルドヤムのはたらき
ワイルドヤムに含まれているジオスゲニンは
女性ホルモンであるプロゲステロンと似た働きをする成分です。
ホルモンバランスを整えて、バストアップや生理トラブルケアに働きます。
ジオスゲニンは、サポニンの一種(水溶液を
ワイルドヤムの効果・効能
ワイルドヤムの根には、
大豆イソフラボンと似た働きをする
ジオスゲニンやサポニンなど
多種類の成分が含まれており、
月経のリズムを正常化する作用や
女性の体調を整える効果があります。
その他にも、関節痛に効果があるほか、
滋養強壮作用や美肌効果も期待できます。
こうして、女性の美しさと元気をバックアップ
してくれるので健康維持や美容サポートに役立ちます。
ワイルドヤムの安全性
ワイルドヤムを適切に摂取する場合はほぼ安全です。
ただし、過剰摂取は避け、
1日の摂取量の目安をしっかり守ることが大切です。
ワイルドヤムの副作用
ワイルドヤムは通常の推奨摂取量で耐容性が良好である。
多量に経口摂取すると嘔吐が起きる可能性がある。
嘔吐を誘発する可能性がある正確な摂取量は明記されていない。
使用上の注意
アレルギー
Dioscorea batatas(Dioscorea villosa関連ヤマノイモ種)で
皮膚をこするとアレルギー性接触皮膚炎が起きると報告されている。
高濃度で長期曝露している労働者では
Dioscorea batatasが職業性喘息を誘発している。
交差アレルゲンが他のDioscorea種と共に現れる可能性がある。
ホルモン感受性疾患
- 乳癌
- 子宮癌
- 卵巣癌
- 子宮内膜症
- 子宮類線維症
- 妊娠
- ホルモン投与を受けている患者
製品に合成プロゲステロンが混入されている可能性があるため。
合成プロゲステロン
相互作用
C 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
ラットにおいてワイルドヤムはインドメタシンの血清中濃度を低下させ、インドメタシン誘発腸炎を悪化させた。
C ホルモン補充療法/経口避妊薬
パイロット研究においてワイルドヤム製剤はプロゲステロン合成を抑制することが分かった。
しかし、臨床試験のエビデンスは不足しており、合成プロゲステロンの混入に関する事例報告がある。
C インスリン、経口血糖降下薬
Dioscorea dumentorum(Bitter yamまたはAfrican yam)はウサギで血糖を低下させることが示されている。
この反応はDioscorea villosaには記録されておらず、ヒトでの記録はない。
C フィブリン酸誘導体
好ましい相互作用。
ジオスゲニンというヤマノイモの活性成分は動物を対象とした研究において、
動物の方が大きな脂質低下作用を発揮することが分かっている。
C 高脂血症治療薬
好ましい相互作用。
ジオスゲニンは動物において競合的阻害により
腸内のコレステロール吸収を低下させ、
血清総コレステロール値を減少させることが分かっている。
他の脂質低下薬の作用を増強する可能性がある。
臨床エビデンス
ランダム化比較試験クロスオーバー二重盲検
Komersaroff PAら 2001
煩わしい更年期症状が認められる
健康な女性23例を対象に
ワイルドヤムクリームの影響を検討した。
4週間のベースライン期間後、
女性を実薬製剤の後に
- プラセボを与える群
- プラセボ製剤の後に実薬製剤を与える群
のいずれかにランダムした。
クリームをティースプーン1杯分として
腕、足または腹部に
1日2回、3カ月適用し、
さらに3カ月間、もう一方のクリームに切り替えた。
ベースライン期間とその後は毎月1週間、
日誌をつけ、ベースラインと3カ月目、6カ月目に
脂質とホルモンの測定に供するため
血液試料と唾液試料を採取した。
結果
3カ月の治療後、実薬治療、プラセボとも有意な副作用は報告されず、
- 体重
- 収縮期圧と拡張期圧
- コレステロール
- トリグリセリド
- 高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール
- 卵胞刺激ホルモン
- グルコース
- エストラジオールの総血清中濃度
- 血清または唾液中のプロゲステロン
に変化はなかった。
症状スコアはプラセボ、実薬治療とも
- 昼間ののぼせ回数
- 重症度
- のぼせ以外のすべての症状スコア
- プラセボの後の寝汗
に対して軽微な影響を示したが、
プラセボと実薬クリーム間の統計学的な有意差は示さなかった。
女性23例のみ研究を終了したことから脱落者が非常に多かった。
これは24例で症状が緩和しなかったためであった。
結論
この研究は、更年期症状が起きる女性を
局所用ワイルドヤム抽出物で短期間治療した場合、
副作用はないが
更年期症状にはほとんど影響はないように見えることを示唆している。
この研究で懸念されるのは参加者が少ない点と、
ワイルドヤム製剤のBioGestTMが製造業者から提供されたもので
Dioscoreaがどのくらい存在するかどうか検証されなかった点である。
全体的結論
更年期症状の軽減に対し、
ワイルドヤムの使用を支持するヒトのデータはない。
提案されているワイルドヤムの作用機序は曖昧さが残り、
化学分析のための立証できる基準がないため、
有効成分の有無について意見を述べることはできない。
局所用ワイルドヤム抽出物の短期使用は
副作用をもたらすとは思われず、
- ホルモン
- 脂質
- 血圧
- 更年期症状
への効果を支持するエビデンスはない。
ワイルドヤムは合成プロゲステロンの混入がよくみられるため、
プロゲステロン類似効果があるという
製造業者の宣伝文句には用心する必要がある。
ジオスゲニンはプロゲステロンとDHEAの前駆物質であるが、
この変換はin vivoでは起こらず、
実験室での化学的操作によってしか変換されない。
ワイルドヤムの摂取方法
1日の摂取量の目安
ワイルドヤムの1日の摂取量の目安は
根のエキスで850mgほどとされています。
また、サプリメントで摂るなら
1日2粒ほどを目安に摂取するのが一般的です。
※1粒あたりの含有量や
推奨する摂取量はメーカーにより異なります。
摂取方法や注意点
通常の方が摂取する場合は、
副作用などが発生することはありません。
しかし、処方薬を服用されている方は、
摂取する前に医師にご相談ください。
執筆:臨床栄養協会認定サプリメントアドバイザー 長谷川貴志
ワイルドヤム製品の代表的な規格は
1回の摂取あたり10%のジオスゲニンである。
ジオスゲニン濃度は種々のワイルドヤムの間で著しく異なる。
ジオスゲニンは体内で
活性ホルモンに変換できないという理由で、
多くの製造業者は不法に
合成プロゲステロンを製品に加えている。
成人の摂取量(18歳以上)
経口
乾燥根
1日2〜4gまたはティースプーン1〜2杯を2〜3回に分割して摂取
(安全性と有効性は未だ明確に証明されていない)。
カプセル剤
ワイルドヤム250mgを1日1〜3回摂取、または
ワイルドヤム由来のヤマノイモ抽出物を450〜900mg/日
(安全性と有効性は未だ明確に証明されていない)。
液剤(45%のアルコールで1:1)
2〜4ml/日の3分割摂取が事例に基づいて推奨されている
(安全性と有効性は未だ明確に証明されていない)。
チンキ剤
4〜12滴または2〜4mlの1日3〜5回摂取が
事例に基づいて報告されている
(安全性と有効性は未だ明確に証明されていない)。
局所用
クリーム
ワイルドヤムは膣用クリームの一部として利用可能であるが
広く受け入れられている使用基準はなく、
局所用製剤の全身性ステロイド作用は立証されていない。
合成プロゲステロン混入の疑惑がある。
小児の摂取量(18歳以下)
推奨するエビデンスは不足している。
事例に基づき、小児の摂取量は70kg(150ポンド)の
成人の総量に比例して体重換算で決定されている。
小児の体重(kg)を70で割り(ポンドの場合は150で割る)、
結果を成人の推奨摂取量で掛ける。
安全性と有効性は証明されていない。
おすすめの摂取タイミング
胃の中に余計なものが少ない
就寝前に摂取するのがおすすめです。
こんな方におすすめ
バストアップを目指している方や、
生理トラブルでお悩みの方など
女性特有のトラブルケアにおすすめの成分です。